久しぶりに、息子が訪ねてきた。相変わらずの調子で微笑ましい。これから将来の事をどのように考えているのかと親は心配になるが、あまり頓着していない様子にたいした会話も出来なかった。多分、親が死んでいなくなってみないと子供としての方針も決められないかもしれない。自分もそうであったから。
親子というものは同じ職業につきながらも、所詮はライバル同士、いや敵対する場合もありうると思う。過去の歴史でも親子の悲しく辛い物語も沢山ある。我が道を行く親と我が道をいく息子とは永遠に並行なのかもしれない。
最近、いくらか子供に依存して楽をしたいような感覚があるが、甘えは決して許されないと自問自答する日々が多くなった。しかし、笑顔で健康で訪ねてくる息子は宝物だ。充実した人生に向けて大手を振って臨んでほしいものだ。
これから先色々な困難や不可解な問題に遭遇するたびに大きく成長する事だろうと、梅雨の合間の夕焼け雲に無言で想像を馳せる。
「今は、そんなこと言っているが、親がいなくなって見なさい。わかるから・・・」と茶の間でよく母親が言っていたのを思い出す。「へへへ・・・」と当時は言っていたが、まさに最近よく理解できる。ちょっぴり淋しくてやり切れない気持ちになる。そんな思いを何時の日か息子や娘が感じる事であろう。
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