盛岡に行く準備

sawadfa1971.JPG 盛岡で開催される ―生誕90年―「澤田哲郎展」-盛岡・シベリア・東京・アメリカ‐に行こうと、盛岡の繋ぎ温泉の旅館に予約をとった。3月13日(土)、14日(日)で出かける予定。我が家にある澤田哲郎の「雪降る街」も展示される予定だ。雪降る街は会場でご覧ください。多くの作品が展覧会で共演する状態を早くみたい。左の絵はサムホールで寝室に掛けてある。sawada 1971
 以前に一度、安比高原に旅行で行った事があるが、盛岡の市内などほとんど記憶にない。澤田哲郎画伯は妻のお父さんと親交が深く、我が家にも訪ねてきた事があった。その時、自分の描いた油絵を見せた。絵については何も言わなかったが、毎日同じものを描き、1年後にそれを見ると何か必ず新しい発見があると言っていたのが記憶にある。物事、同じ事の積み重ねで、ふと振り返ると新しい境地に到達しているという意味であろうか?それから、数年して澤田さんは他界した。澤田画伯の奥様は耳鼻咽喉科を中野で開業され、澤田画伯を経済的に支えた女医であった。傍から見ると不思議な御夫妻であったようだ。その後に、東京・ギャラリージェイコつくし野店の個展があり、澤田画伯の絵を守ろうと数点購入した。澤田画伯の絵はニューヨーク近代美術館や、神奈川県立近代美術館、岩手県立美術館、山梨県立美術館などに納められている。その中から、日本にある数点が盛岡の展示会場に運び込まれるそうである。澤田哲郎は藤田嗣治に師事して、腕を磨きあげ独特の作風が面白い。戦後、間もなくの頃にロシアに捕虜として残り、帰還した。戦後間もないころの作風はロシアの人や貧乏な人達を描いている。ニューヨーク滞在の頃は次第に抽象の世界に入り、晩年はまた職人の絵描きを自負し、生涯「三万マイ」を掲げてサムホールに心の詩文を具象化した作風を描き続けた。一見、見苦しく、しかも日常に存在するものの中の非現実的空想描写が多い画風だが、一皮むいた人間のもつ独特の臭気が紛々と鼻を突く。じっと立ち止り考えさせられてしまう。ネットに盛岡市インターネット美術館というのがあった。
 女房のお父さんが口癖のように言っていたのを思い出す。「澤田は将来必ず世に出る人だ、やつは本当の絵描きなのだ・・・」その言葉が今ある絵を購入するきっかけになった。今回盛岡に展示される前に、富士宮の澤田哲郎小泉記念室の展示会に出した事がある。大作は自ら展示会場を求めて歩きだした。今回、盛岡での展示会が最大の展示会になると思う。これを機に世の中に多くの作品が出てゆけることを願っている. 


―生誕90年―「澤田哲郎展」-盛岡・シベリア・東京・アメリカ‐ 

 会期 /会場 

     ・2010年(平成22年)3月12日(金)?3月22日(月・祝)

       盛岡市民文化ホール・展示ホール(マリオス4階)019-621-5100

          ・ 2010年(平成22年)3月1日(月)?3月28日(日)

          もりおか啄木・賢治青春館 「サムホール作品展示」019-604-8900

           入場無料

 

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コメント

    • かおりん
    • 2010.02.25 12:11pm

    盛岡市民文化ホールでの
    澤田作品「雪降る街」との出逢い、心待ちにしています。
    とてもしんとした、静かな強い気持ちで。
    どんなにか素敵な作品でしょう。
    もうひとつの会場、「もりおか啄木・賢治青春館」では
    サムホール作品170点の展示も終えて、
    3月1日のオープニングを待つのみです。
    わたくしは青春館会場の担当をしておる者です。
    天井の高い創建100年を迎える
    重要文化財の会場に並ぶサムホールは
    それぞれが凝縮した宇宙を感じさせてくれます。
    ものすごいパワーに
    改めて澤田哲郎の凄さを知らされます。

    • yoshirou
    • 2010.02.25 12:39pm

    かおりん様、投稿ありがとうございます。早く、サムホール170点を見たい気持ちで胸が高鳴ります。ご準備お疲れ様です。色々なご苦労がおありかと推察申し上げます。

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