冷たい土にぬくもりを感じて・・

  12月4日は父の命日、昼から菩提寺を訪ねた。人影は無かったが、線香の煙が何処となく漂っている。
4年たったか・・・早いものだ。空は限りなく澄んでいて、2,3日続いた冷温の為か紅葉の最後の輝きが
周辺の山々にあった。何時もならとうに散ってしまうのに今年は何かを惜しむように紅葉が遅かった。
線香に火をつけて、お花を供えて合掌した。ここまで育てていただいた父の苦労を思うと何かこみあげて
くるものがあった。人はやがて死を迎えるが、何時死ぬかは誰にもわからない。
いずれは自分もここに入る日が来る事だろう。父が生前この墓の墓石の前にしゃがんで墓石を拭いていた姿が
思い出された。今はただ冷たい土がそこにあるだけ・・・。土に帰って行ったのだな。
帰り道、実家に立ち寄った。裏庭の柿の葉もすべて落ちた。百日紅も枝だけになった。
もちの木の赤い実が沢山なっていた。赤と白のサザンカが綺麗に咲いていた。
父の残された尊い存念が至る所に感じられる。
父がお亡くなりになった当初はこの事が無常に感じて寂しかったが、
今では自分の中で生きる活力になっているようだ。
夕方近く遠くの山々のシルエットが夕日に映えて、いかにも師走を思わせる。
何時のまにか日は暮れて寒さが強くなってきたようだ・・・。紅葉も最後だな・・・・・・・。

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