われはしりもさん。

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仕事場に入り1時間たった。自分の書斎に戻ろうとドアに手をかけた。ドアに鍵がかかっていて開かない。
仕事場から自宅へは戻れない事がわかった。仕事中に、“カキ”という鈍い音がしたが、さほど気にせずにいたが、
その時に鍵がかけられたようだ。
 後で解った事だが、無意識にかけたそうである。何気ないしぐさの中で、
平然と気がつかずに鍵をかける事が日常になっている。当人も悪気は無く、平然と鍵をかけ出かけて行ってしまった。
 当方、携帯を別室においていて連絡のとりようがなく、出かけていきそうな喫茶店の
電話番号を104に問い合わせたが、場所の正確な名前を言い出せず、
「電話番号はありません」とオペレータに言われてしまった。帰るまで待つしかない。
西の空の夕焼けが幻想的で、カメラに収めようとしたが、カメラも隣の部屋・・・。
残念な事だ、この瞬間を切り取れないなんて。諦めて時間が来るまで待つとしようか。
 すっかり暗くなったころ、鍵をかけたご本人様が御帰りになった。明るい声で一言いった。
「すみません・・・。」
 急にあたり一面が明るくなったような気分になった。key

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